今日から如月、ちょっぴりあたたか。




ほんの少し寒さが緩んだ。
今日から2月、如月。月がキリッと空を切る。
新しい年が訪れたと思っているうちに、ひと月が過ぎ去った。
今年は気合いを入れて、ゆるりと過ごそう、と、思い決めた新年。
年度内はいまだ、追い詰められるようなあれこれを積み上げている。
来年の今ごろはゆるりと過ごしている年度末にしよう。と、既に来年に心を逃がしたりして。
時は、着々と、粛々と、この身を未来へと運ぶ。
終わっていく今日。
明日ですら必ず終わって行く。
残酷でもあり、それだから、生きてゆけているようでもあり。
夕方から再びひんやりとした空気が差し込んできた。
明日はまた冷え込む。
子どもたちが、時期遅れの福笑いに興じている。
はしゃいだ笑い声で部屋は暖か。
こうしているうちに厳しい寒さの冬も、やがて春になる。
冷え性対策に。。。「遠くを見よ」と、アラン教授は言うのです

寒いです。
今年の冬はことのほか寒い。
むむちゃんやぷうちゃんが生まれるたびに、
冷え性体質はちょっとずつ改善されつつあったのだけれど、
今年は、手先足先、腰と背筋の冷えにとにかく悩まされています。
寒いと体が縮こまるためか
(首こり病が悪化すると、90%以上の人にうつ症状が起こる(松井孝嘉『うつ 頭痛 めまい 不定愁訴 「首こり」をとれば90%以上完治する』)、
油断するとすぐネガティブモードに入ってしまいます。
アランの『幸福論』には
私のネガティブモードを回避するためのマジックワードが散見します。
「遠くを見よ」もそのひとつ。
そもそも人間の眼のつくりがそうなんですって。
広々とした空間の中で憩い、星や水平線をながめて、眼は安らぐようにできているんですって。
眼が安らいでいれば、頭は自由になり、足取りもしっかりし、体全体がくつろいで、内臓までしなやかになる。
自分の意志の力で内臓をしなやかにしようとしてもダメなのですって、眼に任せる。
頭や心をつきはなして、体の機能に身をまかせること。
シンプルだけど、忘れがち。
足が冷たい手が冷たいと冷たさに心をかけずに、
キリリとした空をぼんやり眺めていたら、内臓がしなやかになって
血液がいきわたり、体はあたたかになるかしら。
読書日記1/25-29 海道尊『チーム・バチスタの栄光』上下『ナイチンゲールの沈黙』上下『螺鈿迷宮』上下

困ったものです。
薄い文庫で、さっと読めちゃって、面白い。
だから、読み終えずにいられない。
おかげで、あともうちょっと。で、毎日1時間ずつ寝るのが遅くなる日々でした。
『ジェネラル・ルージュの伝説』が借りられていたので、
これでようやくあきらめて、安心して寝られる夜です。
単行本を持つのに疲れて
図書室の文庫の中からチョイス。
文章が流れるので、読みやすい。
それがいちばん。
山崎豊子ほどガツンと重たくないけれど、
社会問題のある部分への批評を織り込んでいるので好奇心を駆り立てられる。
そして、田口公平の不定愁訴外来。
切り込んではくるものの、
こころをがしっとつかまれたり、
頭をごつんごつんと、揺さぶられたりせずに、
さらりと読み切ってしまえました。
現実の中での時間の流れ少しばかりざわついているここ幾日か。
このくらいの、感じがちょうどよい。
ちょうどよい本は、ちょうどよい折に、あちらから手招きしてくれる。
読書日記1/21-24 有川浩『フリーター、家を買う』

読む時間を十分にとれないなか、脈絡なく、本を選び、とびとびに読んでいた。
阿部彩『弱者の居場所がない社会』,有川浩『フリーター、家を買う』,アラン『幸福論』
脈絡はないはずだったけれど、
つながるところが無数にあるのが、
読み合わせの妙。
たとえば作者の名前が「あ」からはじまる、とか。
弱者であるフリーター、不安定な雇用について
社会科学的に書かれた『弱者の居場所がない社会』
小説として書かれた『フリーター、家を買う』
哲学的な側面から基盤が安定している効用と不安定であることの弊害を書かれた『幸福論』
3冊とも、とても相性のよい、内容の洗練されていて、
どれもお勧めしたくなる本たち。
雇用の好循環は社会をいかに明るくするか、
雇用者と被雇用者ののぞましいあり方、
働く場があるということが人の生きる意欲にどう働きかけるか、
そういうことを難しい言葉ではなく、
ストレートに書いてしまい、読んですんなりわかっちゃえる
『フリーター、家を買う』
雇用問題について何が起こっているのかを知るのに、
新書やら何やらを読むより、この一冊をお勧めしたい。
またしても、有川浩ワールドに、
心地よく引き込まれてしまったのでした。
**********
私は、そもそも小説のスタイルが身になじむ。
そして、科学や真理が純粋な結晶体を取り出すのに似ているのに対し、
文学の不純物だらけで成り立つ世界の中に
あるメッセージ、ある真理、ある科学的な何かを織り込む形が好きだ。
雑多なこの世界に人は生きている。
科学は雑多な中に純なものをとりだそうとする。
取り出そうとするものへの分析、理解、認知、認識等の深度や進度によって、
科学は揺らぐ。解釈が揺らぐから。
でも、人の生きざまは揺らがない。
花が周囲の評価に頓着せず咲くのと一緒で、
科学的に証明される真理がなんであれ、
人はその時代のその状況の中で生きるようにしか生きられないから。
だから、人の生きざまのカケラをのぞいて書き写すような
小説というスタイルは、
人というもののありようについて、真実に近いところを
書き記せる形だと思っている。
いや、私小説のことを言っているのではない、
そこに設定されるありもしないシチュエーションも含めて、
その中に生きる「人」について、の、おはなし。
読書日記1/18-1/20 阿部彩『弱者の居場所がない社会』講談社現代新書

阿部さんの新刊である『弱者の居場所がない社会』は、
けして目新しいことが書いてあるわけではないのだけれど、
日本の、貧困の問題を、すっきりとわかりやすくまとめてくれている。
もっと、学者学者さんした方だと思っていたけれど、
今回のこの本は、裏付けるデータ等々をこえて、読みやすい。
日本の貧困の状態、とりわけ子どもたちのことについて、
良い本と出合うたびに、できるならば書かれていることを
自らの言葉で語れるようになりたい、と、思う。
この本などは、まさしく、そう。
全編、語れるくらいに自らのものになればいい、と思う。
だけれど、他者に伝わるように語れるみずからの言葉に置きなおすことは、
とてつもなくむずかしい。
少しずつ、身となって蓄えられてきたけれど、もう一歩。
貧困というと
アフリカの飢餓の映像を思い浮かべるか、
「精神的な貧困」がもっとも貧しい、と読みかえるか、
どの人もいずれかで理解しようとするのではないだろうか。
そこに、どうさしこんでいったらいいのか、
阿部さん自身も、そこに挑みながら、この本書を編んでいる。
どこを読んでも、そのヒントが散りばめられている。
それでも、正しい理解のためには、この本を丸ごとぜんぶ読んでくれたら、
わかってもらえるだろうなぁ、という気持ちになる。
そのための、この本を手にとってもらうまでのきっかけを、
どんな風に作り出したらいいのだろう。
******
ここ数日、そればかり考えながら、他の本を読んでいた。
そのうちの一冊、アランの『幸福論』は、
よび声に違って、ひねくれている。
ひとひねり、ふたひねりの、へそ曲がりに、私には読める。
その中に、こんなフレーズがあった。
戦争だからつらいのではない、つらいのは足がつめたいからだ。
これは、どう考えてもおかしいのだけれど、
たとえば、
貧困だからつらいのではない、つらいのは足がつめたいからだ。
と、読み変えたときに、考え始める糸口がたちあらわれてくる。
「つらさ」を精神的な貧困の一例と考えると、
足のつめたさを取り除かないかぎりは、精神的な貧困は解決されない。
「足のつめたさをとり除くためには」
厚手の靴下が、厚手の靴が、カイロが、ストーブが、布団が、要る。
それを得るためには、お金がかかるのが、今の時代なのです。
経済的な貧困を解決せずして、精神的な貧困も解決はしない。
つめたい足をどうしたら暖められるのか。
どうしたら暖かい足のまま過ごせるのか。
どうしたら、つめたい足の生活を終えることができるのか。
どうしたら、つめたい足のまま生活する子どもたちを放置しない社会になれるのか。
そんなふうにだったら、たくさんの前提となる知識を要しなくても、
考えはじめることができる。
語らいはじめることができる。
そして、語らいはじめることができるのは、
ひとまず、自分の足の冷たさを解決してからだ。
もう一度問いに戻る。
「足のつめたさをとり除くためには」
足を暖めようとしてくれる他者がいればいい?
足の冷たさにささくれだった心を解決してからでないと、
足をあたためる他者にもなれない。
そうして、ぐるりとひとまわりしたときに、
他人事ではなく、自分事になる。
・・・・
日本の子どもの貧困の、はじっこにしか触れられないけれど、
私の言葉を見つけるところから、一歩ずつ。
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*・*加藤 志保*・* わたしのいまここ日記 ☆大好きな子どもたちへ☆
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