江ノ島旅行の朝は潮騒ではなく、クルマの行き交う音に目が覚めた。
何度も目をつぶり直して、目覚めを遠ざけていたけど、パチリとむむちゃんと目があってしまう。
起きるや否や、海に行きたい!と、大騒ぎの子どもたちをなだめて、チェックアウトして、海岸に降り、砂浜を歩く。
ぷうちゃんには、なじみの少ない海に、警戒心。
やがて解き放たれて、むむちゃんの隣に立つ。
海を見つめ、もの思いにふけるむむちゃんの中にはどんな絵が描かれていたのだろう。
そのまま、海を眺めて1日過ごすくらいに、むむちゃんの想像力がたくましく、育っているだろうか。
もしそうであるなら、いつか、私の旅のベストパートナーになってくれるかな。
潮騒にバイバイして、鎌倉大仏を目指して。
長谷観音は、山登りにぷうちゃんが耐えない様子だったから。
むむちゃんは保育園の遠足で訪れた場所。
思い出して、あそこでお弁当食べたよ〜☆等々。
私は小学校の修学旅行先。熱を出して参加できなかった、ほろ苦の場所。
ぷうちゃんの心は、道沿いで誘惑する、ソフトクリームの模型。
大仏を後にして、あるお店で、ストロベリーと、ブルーベリーのソフトクリームを買ったら、2つとも学割を適用してくれた上に、ぷうちゃん用に小さめのソフトクリームをサービスしてくれました。
おじさん、ありがとうございます。
お礼がわりに看板娘よろしく、お店のおとなりのベンチに腰かけて「おいし〜い、おいし〜い」。
江ノ電で、長谷から下り、藤沢に。海を見ながら、家の合間を縫って走る電車、楽しめたかな?
JRに戻ってからは、旅情とサヨナラ。
母に泣き言を洩らし、いちばん大変な帰り着いてからのもろもろを、お願いしてしまう。
むむちゃんは、昨日考え抜いた末、お休みしないことに決めたピアノのレッスンに。
旅行に出る前の山積みの家事と、旅行後のお洗濯もお片付けも、母にお任せ。
頼もしくちゃっちゃと役目を終えて帰途につく母を送り、この週末の宿題になっていた買い物を済ませた。
明日の雨の前に、と、お花たちのお世話を終えて、気になることのほとんどを片付けた。
これで、明日は1日寝込んで過ごしても、悔いなし。
疲れてる私でも、気分転換に向かえる、ギリギリのあたり鎌倉、海が見える江ノ島のチョイス。
ありがとう。
お父さん。
甘やかしてくれてありがとう。
お母さん。
帰ってきてまとめ読みした新聞の中に銀行の広告で、
「親に言えば何とかしてくれると思う。
けどもう、頼ってはいけないと思うのです。」
と。
頼れるなら頼っていいに決まってる、じゃないか。
やっと、この年にして、甘えることを知った私はそう思う。