さばさばした先生とのおしゃべりも半分楽しみながら、書道に親しむ金曜日。
大人の時間は、相変わらず1人で独占して、先生方が子どもたちを迎える準備に勤しむなか、リラックスして筆を運ぶ。
前回から変えた柔らかい筆の扱いに、終わりくらいになってようやく感覚がつかめてくる。
力加減、の、強弱が素直に筆に入っていく感じが面白い。
書き止めたく無い気持ちを残しながら、むむちゃんのお迎え。
むむちゃんは、すでに帰宅していて、携帯に何度も電話をくれていた。
むむちゃんに行こうか、と声をかけると、複雑な顔。
書道には行きたい!でも、お友だちがいないのが心細い、と、ワンワン泣く。
それでも行きたい気持ちが勝り、一緒に向かった。
入り口で同じ位の男の子に会う。
丁寧で、ハキハキした世話焼きの子で、あれやこれや、教えてくれる。
「何年生?」と、聞くと、「一年生だよ」と。
むむちゃんの顔が一瞬ほころぶ。
チャンスです!
先に座ったむむちゃんの隣に、A君を手招きして、重ねてあれやこれや、むむちゃんのお世話をしてもらう。
私は、隅っこに引っ込んで。
先生も、わかったもので、おんなじ一年生同士ふたりに教えるように、話しかけてくれた。
先に終わったむむちゃんは、A君に小さくバイバイをした。
外に出ると小さな傘を持ったお母さんが待っている。
もしかして。
「失礼ですが、A君のお母さまですか」
はい、と。
またまたチャンスです!
「同じ一年生で習いはじめたばかりなんです。今日はA君がいろいろと教えてくれて。」と。
お母さまも、むむちゃんに名前を聞いてくれた。
「ありがとうございました。またよろしくお願いします。」
挨拶をして帰る。
不思議と大人同士がちゃんと挨拶ができていると、子どもたちの仲良し度は一気に進む。
むむちゃんに、「お友だちできて良かったね」と、言うと、
「前から知ってる子だよ」と。
「なんだぁ、お友だちいるんじゃぁん」と言うと、「今日、ちゃんと友だちになった」と。
なぜか、隣の学区の子ばかりのこの書道教室は、むむちゃんにはアウェイ。
でも、むむちゃんは先生の好みがはっきりしていて、先生をとっても気に入ってしまった。
そして、書道も、魅せられたように好きになってしまった。
後は、友だちさえ居れば、あるいは、できれば、言うこと無し。
アウェイの不安、よくわかる。でも、いつまでもママと一緒ではますます友だちが出来にくくなる。
その乗り越え方をこれで1つ学べたらいいなぁ。来週も、どうかA君、よろしくね、と、祈る。
私、がんばって母親してるなぁ、と、つらつら振り返りつつ思う。
うん、私も、よくがんばってる。なかなか、いいではないか。
ちゃんと休職期間に、むむちゃんに母親らしい貢献がわずかでもできて。