川上弘美が、社会問題に対するアクションを起こすのを
はじめて見た。
『神様2011』には、
1993年に書かれた『神様』が前編に、
後編に『神様2011』が掲載されている。
短いので、読み合わせて一字一句の異なりを読むことができる。
311原発@福島、後、の『神様』
どうして彼女がこれを、神様のリニューアルとして、
作品化したのだろう。
何か、問わざるを得なかった。
何か、書き出さずに得なかった。
何か、過去に無邪気だった、無邪気に過ぎた、我を、我々を、
問いたださずにはいられなかった。
そんな、フツフツとしたものを、感じます。
朝、起きてから、夜、寝るまでの、日々の暮らしを丁寧にいとなむことは、
何にも増してとうとい生命の活動だと、
最近、なんだかつよくくりかえし思う。
丁寧にいとなめるということが、貴いことと、
最近、きっと気づいている。
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続けて、『7年目のツレうつ』を読む。
「ツレうつ」は映画でみただけ。
本読んでいなくて、これがはじめて読む「読み物ツレうつ」
映画とのテイスト、トーンが、とってもおんなじであることに、小さく驚く。
映画と本では、たいていは、異なるものとの、新たな出会いになるものなのに。
昨今の「ツレうつ」ブームの裏話。
うつ病の人を引き寄せてしまうこと、
カミングアウトを願わずして誘ってしまうこと、
うつ病の人に悩まされている恨み?を晴らさんとされてしまうこと。
あるよな〜、と、思う。
そして、でも、貂々さんが「ツレうつ」スイッチを
オンにしたり、オフにしたりしながら、生きているように、
うつをわずらった人の周りには、
傷みを覚える人にそっと添おうとする人がいる。
そっと添おうと思える人、
そっと添える人が、
増えていったなら、もすこし、みんな生きやすい。
本書の中で、
川の真ん中をゆく水鳥について書かれたくだりがある。
右の岸、左の岸で何事があったときに、
すっとそれを避けることができ、
すっと軌道をもとに戻すことのできる
川の真ん中というポジション。
あぁ、心が揺れたら、
この水鳥を思い浮かべてみようと、思った。