むむちゃんの散歩道

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雨の朝、星の夜。

雨の朝でした。

自転車が使えない。
いつもより少し早く家を出ることをせまられる雨。

いつもより、少し早く起きて、
少し早く子どもたちを起こしたつもりだったけれど、
さいごはいつもの時間。
つまり、時間に追われる朝。

追い出すようにむむちゃんを見送り、
引きずるようにぷうちゃんを連れ出す。

ぷうちゃん、走らなきゃ間に合わないよ。
悲鳴のように。

こんな日に限って荷物が重い。
えいえい、と、足早に歩く。

振り返ると、今にも泣き出しそうな顔で、
ぎゅっと唇をかむようにして、
ぎゅっと傘を握りしめて、
小走りにぷうちゃんが追ってくる。

泣きだしたくなる。

誰も何も悪くないのに、
うまくまわらない。

せめて、笑顔でむむちゃんを送り出せたら。
せめて、笑顔でぷうちゃんとこの道を歩けたら。

ぷうちゃんの傘に手を添える。
怖い顔のまま。

はっとした様子で見上げたぷうちゃんは、
力強く前を向きなおる。

保育園に着いて、ぷうちゃんも、私も、ほっとする。

ぷうちゃんのロッカーにばたばたと荷物をしまうと、
ぷうちゃんはいつもとおんなじピカピカの笑顔で、
ぴょんと跳ねてハイタッチをして、
ご機嫌にバイバイと手を振った。

ぷうちゃん、ありがと。
うまく笑えず、目が雨に霞む。

駅へと急ぐ。
いつもと同じ時間の地下鉄に間に合った。
間に合うんだったら、もっと、、、。

すべて、朝からの雨のせい。


むむちゃんに、ぷうちゃんに
時間を戻して笑顔で声をかけたい。
こんな日に限って夜遅い会議の日。
子どもたちに明日まで会えない。

帰り道、雨上がりの風吹く澄んだ空。
星がきらめく。
今日の後悔を明日はしない。
明日は笑って過ごせるように。

はやく、明日になあれ。
by shiho_kato | 2012-02-24 01:31 | 読書ノート