むむちゃんの散歩道

mumugi.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

未来少年を追いかける弟、およそ千年を遡る姉、今の一分一秒に心乱す母

未来少年を追いかける弟、およそ千年を遡る姉、今の一分一秒に心乱す母_d0134102_17385615.jpg

未来少年を追いかける弟、およそ千年を遡る姉、今の一分一秒に心乱す母_d0134102_17385662.jpg

未来少年を追いかける弟、およそ千年を遡る姉、今の一分一秒に心乱す母_d0134102_1738567.jpg

夕飯ができあがって、居間をのぞいたら、
ぷうちゃんは、DVDプレーヤーで「未来少年コナン」のアニメに釘づけ中。

むむちゃんは、その隣でPCのニコ動で「かるたクイーン戦」の二巡目を
見ながら、自分の持つ札を広げ、とるイメトレ中。

私は・・・
早く夕飯、早くお風呂、早くお洗濯、早く寝なくちゃ〜!
そして、今朝は地下鉄のドアが閉まる前で、がっくりと首を落とす。
スケールちっさいなぁ、私。

*************
「未来少年コナン」は、
アメリカのSF少年作家アレキサンダー・ケイの『残された人々(原題The Incredible Tide)』を
原作にしているそうだ。
ちらっと内容を見る限りでは、「未来少年コナン」は未来を予言し、かつ「風の谷のナウシカ」への源流になっている。
『残された人々』は未来への思いを託しつつ、現在、過去からの呪縛を解けなかったよう。

坂本龍一と竹村真一の『地球を聴く』を読みながら、
人間は自然の一部に組み込まれた歴史のちっぽけな生命体のカケラでしかなく、
そのカケラがカケラとして意思を持ち、ここに直立し生きていることの不思議を思う。
風の音、水の音、木々の音に、自分の体を共鳴させていくと、
それがとってもとってもよくわかる。

たくましいコナンも、ナウシカも、その共鳴力が抜きんでて強い。


むむちゃんが夢中になっているかるたは、
古語による百人一首。
古語は風の音、木々の音、自然界にある音を、
人間の声帯を通して声という音に置き換えた原初性を
いまだ帯びている時代の言葉が用いられている。
今の言葉よりもずっと、たおやかでみみにやさしい。
たとえば濁点が無いように。
「わ」が「は」であったり、「い」が「ひ」であったり、
より息をす〜っとぬいていく音でできている。

そう、そのやわらかでやさしい響きの音に小学2,3年生のころに
百人一首によって魅せられて、古典を学ぶ世界に導かれたことを、
私の歴史として思い出す。

むむちゃんは、競技かるたの一字決まり、二字決まりを
早くとれるようになることに専念しているけれど、
耳にやさしくなければ、あの読み札を流暢に読む読手の声を
毎日毎日、日に1,2時間も聞き続けられるはずはない。

未来、過去、現在、私たちはまったく異なることに心奪われつつ、
この地上に生きる仲間として、家族をしている。
なんとも不思議な空間だ、ここは、なぞ思う。
by shiho_kato | 2013-01-10 17:38 | 読書ノート