むむちゃんの散歩道

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石田衣良『チッチと子』を読む

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生徒さんの選書から、手に取った。

重松清と石田衣良は似ている。
石を描いているのに、つるりとした石。

ゴツゴツした、でこぼこした、ひびの入った、汚れのこびりついた、
ぎゅっと握るとひっかき傷ができるような、石じゃない。

だから、何か物足りなくて、
とりあげている問題の割に、手ごたえがなくて、
つるりと表面をすべって逃げていく感じ。

今回も、そうだった。
ひとりで子どもを育てる男やもめに再婚を促すお節介な義母に、
よろしくお願いしますって、頭を下げるって。

もっとあれこれ、あるだろ〜。
もっとぐじゃぐじゃ、あるだろ〜。

うちのつるりとした顔のお雛様たちだって、
この30年、もっとあれこれ考え、揉まれてきたオーラを漂わせております。
by shiho_kato | 2013-03-05 13:16 | 読書ノート