夜中にボロボロ泣いて、足が痛い、と何度も起きるぷうちゃん。
足首が痛いらしい。
昼間は元気に遊んでいるのに。
3月に入り、ひな祭りも終わり、おわかれ会の練習がはじまった。
年長さんのおおぐりっ子たちは、年が明けてから、少しずつ小学生タイムに
体をならしている(お昼寝をしない、とか)。
ぷうちゃんが一緒に遊んできたのはもっぱらその年長さん男子グループ。
どうやらお別れのときが近づいてきてることを、実感として理解しはじめたよう。
ぷうちゃんだけ、なんで一緒じゃないの。
ぷうちゃんは、誰とあそんだらいいの。
小さな胸を複雑な思いが少しずつ占拠しはじめて。
これまでだって一緒に遊んでても、
みそっかす扱いされて悔し泣きすることもたびたびだったのにね。
と、ぷうちゃんの心配をするフリをしつつ、
3月で退職するからあげ遠足が最後になるとのことで、
遠足に同行した。
前評判では、山登りだけど、ハイキングみたいな山だから、残念。
みたいなお話だったけれど、
いやいやいやいや、本格的に山でした。
道なき道に、無理やり道をつくりみたいな、ところをわしわしと歩きました。
そもそも山歩きってそういうものなのかな。
大人になってから経験がないからわからない。
でも、子どものころ北海道で暮らしていたときに遊んでいたのは
こんな感じだったなぁ。
笹藪にトンネル作って、木の根に足をかけて。
と、懐かしみながら、けっこう楽しく歩きました。
案じていたぷうちゃんは、さっさとからあげ隊長を筆頭にした先頭集団をゆき、
ときどき思い出したように、手をつないだりして、元気。
けっこうな険しい山道も、子どもたちは難所を乗り越えればたたた〜っと
駆け下りたり、駆け上がったり、体幹がぐらぐらしてないからできる体の動かしっぷり。
すごいなぁ、こんな遠足だったんだ。山歩き遠足と言われた日は、いつも。
強い風にあおられても、すべったり転がったりする子もなく、
引っかき傷とかは、きっとあちこちできているだろうけれど、
元気に山を越え、もう3時を回った頃(予定時間を1時間近く遅れ)、
アスレチックのある公園にたどりつくと、「アスレチックで遊びた〜い!」と。
これまでの山歩きのお疲れなどゼロに。
からあげは、山のほうが面白かったのになぁ、の風情で子どもたちを見つめていました。
同意。
アスレチック遊びを終えてから駅までの道のりは、さすがにぐだぐだになってきて、
それでも、もうこれ以上は遅れられない電車の時間との戦いで、
ところどころダッシュまがいの走りをしたりしつつ、
強風で遅れ気味だったおかげで間に合った帰りの電車に乗りこんだのでした。
そして、車内のお昼ねタイム。
心地よく、かつ足のあちこちに痛みがおとずれる予感を感じながら
ぷうちゃんとお風呂に入って、おしゃべり。
ぷうちゃんは、4月からおっきいこチーム誰と一緒なの?
えっとね、なおでしょ、りこでしょ、にこでしょ、にかでしょ、ゆうまでしょ、ちさとでしょ、6人だよ。
そうか〜。
4月になったら、お誕生日も、ぷうちゃんがいちばんおっきいこなんだね。
そうだよ〜。
山登りの遠足楽しかったね。
アスレチックもっとやりたかったな。
あぁ、そっか。山も楽しかったけどね。
そして、足は痛むことなく、夜もぐっすり眠れたのでした。
朝、ふとんの端からのぞいたぷうちゃんの足の裏は、
とっても小さく、柔らかそうで、この足で、14キロ近い山道を歩きとおしたのか。
大きくたくましい力を秘めた足に育っているんだね。
あ〜、もうすぐ4月か、そしたらぷうちゃんはおおぐりだなぁ。
朝、誰にともなくそうつぶやいたぷうちゃん。
うんそうだね、おおぐりだね〜。
楽しみだね〜。
たのしみだね〜。
よし、大丈夫だ。
きっと、この春も、越えてゆける。
そのたくましい足があれば。