むむちゃんの散歩道

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小川糸『蝶々喃々』唯川恵『てのひらの砂漠』大沼紀子『ばら色タイムカプセル』

女性の作家3冊一気読み。

小川糸を読んで、
根津、谷中、千駄木に行きたくなる。
ストーリーの展開は相変わらず強引で首をかしげたくなるのだけど、
この人はディテールの描写に魅力がある。
小説より、随筆の方がひとを引き付ける作品になるのかも、と、思いながら読んだ。

あぁ、根津神社のつつじ祭りに行ってこようかな、と思う。
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唯川恵は、ほとんど読んだことのない作家。
今回は女性のシェルターとかのことが出てくるというので、読んでみた。
角田光代の『八日目の蝉』に書かれるシェルターらしきものが、
新興宗教(≒洗脳、資金吸い上げ)団体であったのに対して、
こちらはも少し、それらしく書かれている。

どうして、どちらの小説でも、
シェルターから、社会復帰のためのステップハウスに進み、
その先で「女性だけの農園」になっていくのだろう。

梨木香歩の若い未婚の母のお話し『雪と珊瑚』でも、
農園と無農薬野菜のカフェのお話。

農場にそういう付加価値を載せて女性と結ぶことに
トレンドがあるのだろうか・・・。

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そして、大沼紀子。
一気に読んだ三人の中ではいちばん若手。
『真夜中のパン屋さん』シリーズの作者。

パン屋さんも少女が主人公だけれど、
この作品も13歳の家出少女が房総の高齢者の施設で働くお話。
大沼作品は、母と娘の葛藤がメインテーマになる傾向あり。
べたっとしてないのが好き。
葛藤を蹴っ飛ばして、スカートで壁を乗り越える勢いで、
えいやっと前に進む勢いみたいなものがある。
そして、何やら、結局はあたたかい。


3作読んで、今は少年少女系や社会小説系かなぁ、
べたっとした大人の恋愛とかはいいや、
という気分らしい、ということに気付いた一気読み三作でした。
by shiho_kato | 2013-04-21 13:31 | 読書ノート