あ、もう日がない、終わっちゃう~!
前売り券を持っていたダヴィンチ展。
慌てて上野に向かったのでした。
会場ではじめて、ダ・ヴィンチの作品展ではなく、
ダ・ヴィンチ派の作品やダ・ヴィンチの持ち物etc.を収集した
アンブロジアーナ図書館展であることを知ってちょっと拍子抜け。
ダ・ヴィンチコードを読み直してから来れば良かった。
それにしても、天才、まさに天才。
画家はダ・ヴィンチの横顔程度。
好奇心に垣根無しなのは理解できるけど、
幾何学、農学、建築学、文学、他、関心あるものを
手当たり次第吸収してしまったのが、天才と呼ばれる所以なのだろう。
それらを見てお勉強になったなぁ、と思いながらたどり着いた
ポスターにもなった「音楽家の肖像」の絵。
平面なのに、浮き上がって凹凸のあるような立体にしか見えない!
「ユークリッド幾何学」とかは、こう結実するのか!
(どういう流れで結実するのかのプロセスはまったく理解の
及ばない世界!)
勤務先の学校には、ダ・ヴィンチ的生徒、居る。
これは?というものに徹底して精通していきながら、とことん究める。
重ねて博学。
ダ・ヴィンチ、生徒たち好きそうだわ、と思いながら館内をひとまわりしたのでした。
冷房ががっつりきいて、薄暗かった美術館から外に出ると、
まぶしく熱い世界。
上野公園の噴水広場ではTOKYO純氷まつりなる催しが行われていました。
氷に触れたり、氷で冷やしたビールが飲めたり?、もちろん純氷かき氷も!
多々あるブースはそれぞれが何なのか見分けがつかないくらい、
人が並んでいました。
みなみなさま、熱中症にご注意を、と思いつつ、
冷房で冷え切った体がほどよく溶けてきたところで氷はないなぁ、
と思いながら、公園を後にしたのでした。
ダヴィンチ展の中に、ラファエロとか、ミケランジェロの名前が出てきていて、
国立西洋美術館前では、
「ミケランジェロ展 天才の軌跡」と。
ここにも天才かぁ。
歴史に残る芸術家はみな、天に魅入られた人たちなのか。
そうそう、ダヴィンチ展で、ダヴィンチが徹底して素描を重要視していたとの
説明書きがあった。
天の与えたる才能も、素描、目の前にあるものを丁寧になぞることありき。
丁寧になぞり終えた後に、
どのように、「私」を載せていくかが待っている。
丁寧になぞりさえしたものが基礎にあれば、
そこからは、どのようにも、なり得る。
とは、キャリアデザインを考える時に、
デザインよりデッサンを、にたどり着いた私なりの考え。
ほうらね、ここに居たじゃない。
デッサン重視の人。
一気にダヴィンチが身近な人になったのでした。
もちょっと、この説明のくだりを書いたものを読んでみたいな、
と美術館のライブラリーに降りたときには、
冷え切った体にあれこれ忘れて暖かそうな外に出てしまったのでした。
あぁ、「究める」が足りない私は天才にはなれないわね。
でも、この抜け感が、ちょうどいい気がするわ。
と、冷え冷えでかたまった身体が溶けていくのを感じつつ、思ったりしたのでした。