むむちゃんの散歩道

mumugi.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

ぷうちゃんの「学校に行きたくない病」に吹く嵐

ぷうちゃんが、学校に行きたくない病にかかっている。

そうだよね、行きたくなかったよ、私も。
と、安易に共感してしまいそうになる。

校門まで一緒に登校。
昇降口まで手をつないで入ると、その先は振り向くこともなく、
そして笑顔もなく、うつむきがちに上履きに履き替え、うつむきがちに教室へ向かう。

あぁ、気の毒だなぁ、この心性にいたってしまったことが。
と、過去の私に重ねて思う。

むむちゃんは、割り切りが上手だった。今も上手。
休めない日は、「行かなくちゃ行けないもんなんだから」と、
ぐじぐじ文句も言わずに、行く。
休もうと決めた日、休める日は、スイッチを完全にオフにして、
静かにだらだらと過ごす。

涙にくれるネガティブスパイラルに陥ることはなかった。
お見事!と思いながら、見守ってきた。

何が嫌か、言葉にできないぷうちゃん。
私も学校嫌いの明確な理由を説明などできなかったし、今振り返ってみてもできないから、しつこく聞くことはできなかった。

そんなことを考えていたら、
少しはやく帰れた日、
思いのほか早い私の帰りに驚いた勢いなのか、
ぷうちゃんが足元に泣きべそで寄ってきて
「やなことがあった・・・」

(チャ~ンス!)

しかも訴えている内容は学童でのことで、
たったいま、ちょっと前に起きたばかりのことで、
児童館もまだ開いている時間帯で、
先生にお話しておきたいこともあった。

そのやなことは、そのままでいいのか、
トラブルを起こしたお友だちにお話したいのか、
それとも先生に聞いて欲しいのか尋ねると、
児童館の先生にお話したいと言う。

(チャ~ンス!)

即、手をつないで、児童館に行き、先生に聞いてもらいたいお話があると言っているのですが、
とおたずねすると、
館長さんが、ぷうちゃんに何があったか訊ねてくれた。
「わかった、こういうときは母さん一緒じゃない方が子どもたちは本音が言いやすいのよね。お母さんもせっかく来たのだから、ここでなにかお話して行って」
と言って、ぷうちゃんと旅たっていった。

その間、もうひとりの職員さんが話相手になってくださる。

学校に行きたくない、のお話、夏休みは学童に行きたくないと言い続けていたお話、
学童で「死ね!消えろ!」という言葉を(おそらくは軽く)投げられて、涙にくれ、
おねえちゃんに、その言葉を使ったお話。

ポツリポツリとお伝えする。
「最近、本当に言葉を使えない子が増えていて。人数も多くなっちゃって、わさわさしているのが落ち着かないのでしょうね」と職員さん。

そんなこんな話をしていると館長さんだけが帰ってきて、
解決しました。と、内容を報告してくださり、いま一緒に遊んでるので、
もう少し一緒に遊んですっきりしましょう、と。
さっきまでの話を受けて、「死ね!消えろ!」は誰が言ったか、名前言ってましたか?、等々。

しばらくして、ぷうちゃんが窓から顔をのぞかせると、「あなたもいらっしゃい」と呼び込んで、
学校の何がいやなの?ほら教えて、ここでは内緒の話OKなのよ。なんでも言っちゃっていいんだから。
と、ぐいぐいぐいぐいと聞き出す。わかった、学校とか児童館にイヤな子がいるんでしょ、名前教えてよ。と迫る。

私とは異なるアプローチだなぁ、とやりとりを眺めていると、
言葉少なにぽつりと名前をひとつ。

どこがいやなの?何、何するの?
言葉少なにぽつりと一言。

そのあとは、傾向と対策の知恵をわ~っとお話された。

明日から、毎日どうだったって聞いたあげるから、教えてよ。

そんなやりとりを繰り返し、一時間ほどの滞在で、放免。

こちらが1、話すと、あちらが9、話す。
そういうタイプは、私が関わってきた世界の中では、あまり子どもの相談に望ましくないタイプ。とされてきた。

なのだけれど。

ぷうちゃんは、晴れ晴れとした顔をしている。
館長が言っていた話、どうだった?と聞くと首をかしげる。
けれど笑顔。

できそう?
「う~ん、ムリかな・・・」
私もそう思う。
だけれど笑顔。

パワフルな「聞くよ」「いつでもお出で」「で、どうなの」「こうしなさいよ」「ね、わかったよね」
言葉はぷうちゃんの気持ちと噛み合っていなかったけれど、
そうやってぷうちゃんの嫌な気持ちを力強く支えようとする姿勢、ベクトルの向きは、
ぷうちゃんを勇気づけて、安心を与えたんだなぁ。

あらためて字面にすると、
これらの押し付けがましいだけの言葉に耐えた私もエライな、と思うわけだけれど
私の胸にも、いま安心がある。
何をかして、今のぷうちゃんと向きあおうとしてくれることに。


子どもを支えるって、難しいな。

正解は、ないんだってことを、今回あらためて思い知る。
正反対のカードを切ることも、必ずしもリスクとは言えないんだ、と
今回あらためて思い知った。

翌朝も、ぷうちゃんと手をつないで昇降口まで歩いた。
通学路から昇降口まで、歩いている間、ぷうちゃんは終始笑顔だった。このところ見せることのなかった朝の笑顔。

すべては、結果オーライ。


でも「死ね!消えろ」は、解決してほしいな。
言葉は、使うだけ、発するだけで、他者のみならず自身をも傷つけ続けることがある。
それに類する言葉だと、思えてならないから。
by shiho_kato | 2014-09-18 11:22 | むむちゃんとぷうちゃん | Comments(0)