実家の町で行われるロードレースに高橋尚子が来るという。
今年初めてではなく、去年も!
早く教えてよ~。
今年こそは行きます、走ります。
と、夏前に決めて、珍しくコースの試走なんかまでしちゃって、
心待ちにした里帰りレース。
子どもたち、いとこちゃんたちも出ることになっていたけれど、
ぷうちゃんは、いつものごとく直前になってママと一緒に走れないなら、むむと一緒に走れないなら出ない・・・。
いとこちゃんのおねえちゃんのほうは、大事をとって応援にまわることに。
参加者900人くらいの小さなアットホームな手作り感たっぷりの大会でした。
むむちゃんの走った小学生高学年グループは
めちゃくちゃスタートが早くて、むむちゃんはQちゃんとともに、
マイペースで後ろの方からスタート。
ここで呑まれないのが、むむちゃんらしい。
「高橋尚子が、みんなめっちゃはやいね~」って言ってたよ。と。
一貫して自分のペースを保ち、苦しいところもラストも、
いいフォームを維持し続けて笑顔でゴールしました。
あぁ、苦しかった~。。。って、ぜんぜん息もあがっていない。
でも、手は抜いてない走りっぷりでした。
今回、超ド田舎のこの大会に、監督がエントリーしたと聞いて驚いた。
ほかの大会に抽選で受かっていたはずなのに。
高橋尚子、まじかで撮りまくっていました。
そして、狙うは入賞。願わくは優勝。
たしかに、この小さな大会だったら、アリです。
去年の人たちのタイムを見ると、ちょっとがんばれば入賞くらいに食い込めるかな?
の感じ。せっかくの凱旋ランだから、花を添えられればいいけれど。
それでも走れるだけで幸せだから楽しんで走ろう。
と、スタート。
一緒にスタートした監督はあっという間にトップ集団とともに去っていき
ずっと遠方の先のほうの曲がり角を曲がったあたりに、
ちらっと派手なTシャツ、あれがそうかな、とのんびり見送った。
あとは自分の感じを確かめながら。
試走したときの、長い急なのぼりは、あまり大したのぼりではなく、
長くもなく、拍子抜け。
そのあと、呼吸を整えるのが苦しかったくだりは、
日陰でのぼりの熱が落ち着くのが気持ちよく。
びゅーんとくだっていって、あとはガマンガマン。
ラスト1キロか、ゴールの運動公園の屋根が見えるまではガマン。
試走がよほど良かったのか、ガマンしどころが良かったのか、
坂道に強くなったのか、上り坂と、くだったあとのガマンロードで、
スピードが上がっていく感じにのせて、ちょいちょいと抜いていった。
あと一キロくらいかな、のところで、
「おねえちゃん、9人目だよ~!」
お、9人目だったら、もう何人か追いつけたら入賞できるかな、、、。
それでもとりあえずガマン。
ラスト1キロ表示からは、足をグイグイ前に伸ばしていく走り方にかえて、
息が苦しくなっても最後まで持ちますように~、と願いながら。
運動公園までの直線に入るところまで監督が戻ってきて、並走。
「いい走り、そのまま、そのまま」
もう、女子居ないよ、まわり。
迎えてくれるぷうちゃんたちの前を元気いっぱいに走りきろう。
足をさらに前へ前へと大きく伸ばした。
ゴールに曲がる手前でQちゃんとハイタッチ。
「いい笑顔~!」
と声をかけられる。
うん、だって、とっても楽しかったもの。
チップをはずして、記録証をもらって、飲み物をもらって、
タイムと順位を確かめると
「1位」の字。
いちい~っっっ!!!!
もうびっくり。
いちばんはじめに見つけた知ってる人、監督~っ!
「見て、これ一位って~っ!!!」と、確かめる。
続いて、ぷうちゃんとむむちゃんのところへダッシュ。
「見て~、一位だった~っ!!!」
運動会の徒競走ではビリばかりだったのに、こんなことってあるんだね、と見上げると、
母が苦笑い。
そう、むむちゃんの年齢のときの私は、むむちゃんのようにかっこよく走れる私ではまったくなかった。
「願わくは、二位以下がいるといいね」と、父。シニカルだなぁ。
タイムも良好、PB大幅更新。
結果をともなったレースはうれしい。
一位であること以上に、二つうれしいことがある。
ひとつは、監督への恩返し。
こんなとこまで来てくれてありがとうの御礼ができたこと。
もうひとつは、過去の私にプレゼントをしてあげられたこと。
体は弱くてお祭りに行けば熱を出し、疲れれば寝込み、
中学生の時からすでに頭痛もちで、肩こりに苦しみ。
運動神経は無いに等しく、運動会というものが学校生活の中でいちばん大嫌いだった。
その私が、走ることが好きになり、驚くような長い距離も元気に走れちゃったりして、
こんなタイムでも走れるようになっちゃったりして。
ね、過去の私、未来ってほんと、わかんないよ。
生きてみないと、わかんない。
ね、過去の私に、ちょっぴり似ているPちゃん。
もしかしたらね、あなたにもこんな未来があるかもしれない。
別にね、元気になるのがいいことだって、そういうのじゃなくってね、
いまのいろんなことを諦めなくちゃならないのとは
全然ちがう自分で過ごしている未来を生きているかもしれない。
私が一位なんて、奇跡だもの、Pちゃん。
奇跡は起きるよ。
だから、調子悪くても、大事に大事にしながら、長く生きてみようね。
表彰式、Qちゃんにサインをもらいたくてずっと持ち歩いていた本にはサインをもらえず、
そのかわり、サイン入の色紙を優勝の記念にもらった。
握手してもらいながら、「この本を読んで、楽しく走り続けることができるようになりました。」
突き抜けた笑顔で、ありがとう~!と、喜んでくれた。
凱旋ラン。
ようこそ、過去の私。今なら、あなたを大好きになれそう。
そういえば、もひとつ。
父への誕生日プレゼント?
喜ばれるかビミョーだけど。