むむちゃんの誕生日。
むむちゃんは2階の和室でかるた部の活動をしていた。
「今日はかるたの日だから、明日でいいよ。」
むむちゃんがそう言うので、
ぷうちゃんと二人でこっそり、心置きなく
サプライズのお誕生日の準備ができた。
雪ころクッキーのバースデーケーキ。
いつものドリア。
手のかからないものばかりをリクエストしてくれる。
かるたを終えて、さよならをして、
1階をのぞいたむむちゃんが、歓声をあげる。
「今日してくれるの?」
ぷうちゃんは空腹を我慢して、先にお風呂に入って待った。
実家から友達からプレゼントがたくさん。
ひとつひとつに、ありがとう~、かわい~、欲しかった~。
うれしい悲鳴をあげる。
ぷうちゃんからは、
直前の児童館の講座に参加して作った万華鏡。
長いお手紙もしっかり自分で用意していた。
私からはむむちゃんのリクエストでたくさんの本。
本はむむちゃんが自分で選んだ。
いつもはいかない大きい本屋さんで一時間たっぷり吟味した本に抜けている巻や、続きの巻を、こっそり加えて。
「よだれが出そう~」
私へのむむちゃんからのプレゼントのような言葉。
親子だわ。
私が大学生になり、大学図書館にはじめて足を踏み入れた時に、
文字通り「よだれが出そう」だった。
18歳だった当時の私に、むむちゃんはいつの間にか近づいている。
気づかぬうちに、その頃の私を越えていくのだろうか。
ふっと寂しさにも襲われながら、
こんなふうに育ってくれて、ほんとうにありがとう。
心の底から、感謝。