むむちゃんの散歩道

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住野よる『かくしごと』

住野よる、四作目。
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書くたびに良くなっていく。

短文、擬音の、拙い文章だな。ヘタクソめって思ったんだ。『君の膵臓をたべたい』では。


でも、むむちゃんが好んで読み、2作目の『また同じ夢を見ていた』が欲しいと言うから、買ってあげて読んだら、君すいよりも良かった。

3作目『よるのばけもの』は発刊したらためらわずに直ぐに読んだ。

なかなか中学生くらいの微妙な関係や自意識やアンバランスをよく書けているなぁ、と思った。
私の後にゆっくり長い時間をかけて読んだむむちゃんは、読みながら、「ママぁ〜、ヤバいよ〜」と呟きながら、ポロポロ涙を流していた。


そして4作目。
5人の思春期の屈性ばかりの彼ら彼女らを、とてもよく書けていた。
4作の中でまとまりと完成度はずば抜けて高い。


成長する作家、住野よる。
彼女の書く十代はいい。ヒリヒリと、我がことのように同世代に迫っていくに違いない。

このヒリヒリ感は、今しか書けない。
4作目はギリギリかもしれない。
まとまりがよくなってくることと、ヒリヒリは相容れないから。


今の感じの作風の小説をも少しいろいろ読みたい。
だから。

成長しないで欲しいんです、住野よる。

by shiho_kato | 2017-03-25 17:50 | 読書ノート