むむちゃんの散歩道

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柚木麻子『BUTTER』

小説に仕立ててあるから読めるお話がある。

木嶋佳苗の事件には、とんと興味が無い。
おそらく、この小説を読まなかったら、記憶の隅からも零れおちてしまっていたに違いない。
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「オンナ性」の正体とはなんなのか。
ザクザクとえぐって行く。その潔さが心地よい。
木嶋佳苗を模する梶井真奈子に、読みながら一緒に絡め取られそうになっていく。

タイトルのBUTTERは、文字通りパンに塗るあの「バター」のこと。
炊きたてのご飯に、バターと醤油を落として食べたくなる。
生唾を飲み込んだら、私の負け。
五感を刺激されながら読む小説だった。

後半の玲子の暴走がなければ、ねっとりとそちら側に引き込まれていたかもしれない。
揺さぶられる小説。
やるな、柚木麻子。
読み終えた直後は、木嶋佳苗事件についてのルポも合わせて読んでみようと思ったものの、
一日二日を経て熱が冷めた。


小説だからこそ、知り得た事件。
他にも多々あるなー。
本が、私の狭い視野、狭い関心から、ぐいぐいと社会への間口を広げてくれる。
ありがたい。

by shiho_kato | 2017-06-12 20:15 | 読書ノート | Comments(0)