むむちゃんの散歩道

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「守・破・離」

茶道の先生が亡くなられた。
御年満年齢で97歳だったそうだ。


堅苦しいのは苦手だ。
茶道を続けることができたのは、先生の柔らか頭の教えのおかげ。
千利休の教え「守・破・離」
先生は、その「離」の楽しさを当時学生であった私たちにも存分に味あわせてくれた。


茶道の型は、合理的にできている。水が流れるように所作を流せると正しい型になる。
右に左にバタバタしない。近いところの近いものに順に触れていく。
きわめて静かな動。

そのシンプルさが好きだ。

シンプルを身に染み込ませると、「離」の自由。
「型」は極めると、「離」になる。


茶道ばかりでなく、生活もそうだと思う。

毎朝同じ時間に起きて、同じ時間に朝食を食べ、同じ時間に出かけ、同じ時間の電車に乗る。
毎日毎日、それの繰り返し。

その繰り返しのベースが、時々のイベントごと足腰を強くする。

どこに戻るべきかを体がよくよく知っているから、
そのときばかり大胆に踏み外してみる楽しみがある。

退屈な毎日ではなく、シンプルな毎日。

もしも毎日を積み重ねるのがしんどいのだとしたら、負荷が大きくなっている証拠だ。
何かを減らして、淡々と転がせる毎日に戻していく必要がある。


佐藤先生に教えていただいた茶道は、私の内に一本すっくと柱を立ててくれている。


お通夜も告別式も平日だった。
仕事帰りにお通夜に駆けつけた。

手を合わせ、お焼香を済ませ、失礼させていただいた。

いつもより1時間あまり遅い時間に帰宅すると、お風呂を澄ませたぷうちゃんとむむちゃんが、
用意しておいておかずに、むむちゃんの茹でた素麺でお夕飯を食べていた。

いつもと違い、自分たちで用意して食べるお夕飯。
早くから余裕をもって動きだし、先にお風呂に入ったそうだ。

毎日毎日積み重ねている「守」があるから、
こういうときに順序を違えた工夫をする「破」が発揮される。

いつか、ひとりひとり、自ら生活を築き上げる大人になったときに、
大崩れしない「守」が、日々身に染み渡って行きますように。




佐藤先生、ありがとうございました。
合掌



by shiho_kato | 2017-08-30 22:38 | 私ノート | Comments(0)