むむちゃんの散歩道

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2015年 03月 10日 ( 1 )

足りないものはなんですか? 「ダメなものはダメ。」

朝食のパンがない!ヨーグルトがない!
朝から、コンビニへ。

大急ぎでバタバタと朝の支度。

早起きしての夕飯の準備の時間は
買い物にとられてしまったので、
これで今日は夕食の準備もバタバタだ、ため息。

どっと疲れて朝食。

はやく用意できたぷうちゃんが、ゴミを出しに行ってくれた。
むむちゃんが、ごはんを炊いておいてくれる約束。

「ありがとう」と「いってらっしゃい」を何度も言って送り出したら、
涙がこみあげてきた。


******

上村くんの事件は多摩川だった。
近い。
はじめから他人事じゃなかった。

数日、家族の影が見えない報道。
むむちゃんは「親は何やってたの!?」と、憤っていた。


イヤな予感。

やっぱり。

ひとり親だった。

胸が重苦しい気持ちで数日を過ごした。



数日後、お母さんのコメント。

メッセージに、同情や共感が集まった。

私の中にも共鳴するものがありながら、
重苦しさが増すばかりだった。



「やっぱりね、ひとり親はダメなんだよ」


見据えたくない。
けれど、これ。
私の中にある答えを直視して、なお、苦しさが増した。


今朝、子どもたちに、助けを借りて
自分のできることの小ささを思った。

同時に、私にしかできないこと、これだけはしなくちゃいけないことがはっきりした。


顔のあざを見逃しちゃいけない。
どうしてできたのか、たずねなきゃいけない。


30数回の学校からの電話をスルーし続けちゃいけない。
わずらわしさや、徒労感や、責め立てられているような気持ちになったとしても。


学校に行かないことを選んでいる子どもと向き合うことを先送りしてはいけない。
学校が子どもの世界をとりまく大きな一片であることにちがいはないのだから。


夜遅くに、寒い中に、誰と何をして過ごすのかわからないまま、
子どもを外出させてはいけない。


どれもこれも、ダメなものは、ダメなんだ。
仕事が忙しくても、食べるために必死でも、
自分にどんなにエネルギーがなくっても、
自分にどんなに時間がなくっても。



私だったら・・・と、ずっとずっと考えていた。

学校に行かない選択もありだよね。
ときにはゆっくりと休みたい時期もあるよね。
だって、いろんな変化があったばかりだし。

昼間兄弟のお世話をしてもらって、ようやく解放された夜に、
お友達と遊んで羽を伸ばしたい気持ちもわかるよね。
気分転換になるなら、いいのかも。
学校には行っていないけれど、そうして遊べるお友達がいるのは、いいことなのかも。


そうやって、理解している風を装う自分を容易に想像できる。
話を聞き出しにくい年頃の子どもとの対話であれば、いっそう。
耳を傾ける辛抱強さやゆとりが不足していれば、いっそう。
日々をまわすことに精一杯で日々のなかのイレギュラーに対応するゆとりも時間もエネルギーもなければ、いっそう。


そう思い到って、ゾッとする。

子どもをわかった風を装うのは、いとも簡単で、
ふと自分に甘くなったときに、
表層的な「優しさ」に逃げてしまいそうな自分自身に。
そして、かりそめの優しさが、子どもの声をたやすく封じることに。



ダメなものは、ダメなんだ。


顔のあざは見逃してはダメ
夜の外出は許してはダメ
学校に行っているのかいないのか尋ねなきゃダメ
繰り返し繰り返しかかってくる電話にだって応対しなきゃダメ


ダメなものは、ダメ。


上村くんのお母さんに同情し、感情を揺さぶられ、流されてはいけない。
ひとり親であることを言い訳にしてはいけない。
彼女の言葉は、後悔であり、弁明ではない。


私もたいへんなの。
仕事で時間がなくて。
余裕がなくて。
そんなふうに自分を逃がす方便にしてはいけない。



時間がなくても、余裕がなくても、
大事にしなくてはならないことは大事にしなくてはならないんだ。


そのことを戒めにすることでしか、
彼女の苦しみへの理解も、彼への追悼も果たされない。



ひとり親の支援や、支える仕組みについては、
異なる次元で多々多々言いたいこと、改めて欲しいことはある。

「時間・ゆとり・エネルギー」のキーワードでは、
ひとり親に限らず、子どもを育てる親の一定割合の人たちに共通の
社会的課題であり、
「働く・稼ぎを得る」のキーワードでは、
子を育てる親に限らず、生業を得なくてはならない人たちに共通の
社会的課題だ。

上村くんを殺した側の少年たちを育んだ場に
目を転じれば、もっといろいろな問題が見えてくる。

広げていくことはいくらでもできる。


でも、
いま子どもたちを前に、
いまできること、
いま心に留めおかなくてはならないことを、
強く刻み込みたいと思う。


命は失われたら取り返しなどつかないから。
時は、諸々制度やら社会の環境やらが整うのを待ってはくれないから。

by shiho_kato | 2015-03-10 17:53 | 私ノート | Comments(0)