むむちゃんの散歩道

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2017年 06月 01日 ( 1 )

畑野智美『家と庭』『タイムマシンで行けない明日』

畑野智美を二作。

下北沢を舞台にした『家と庭』。

母と、姉二人妹一人に囲まれた「ぼく」の情けない感じがいい。
ゆらりゆらりガツガツせずに「そこに居ていい」「場のゆりかご感」が、
下北沢の印象と合っている。
(下北沢のことをたいして知るわけではありませんが)


『タイムマシンで行けない明日』は、畑野智美の作品の中では、群を抜いていい。
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取り返しのつかない出来事に遭遇し、取り返すために戻った時間から、
戻ってくることができなくなる。

取り返しのつかない「彼女の死」よりも、
戻ることのできないまま「僕の死」後の世界の方で生き続ける僕。

自らの意思で選んだのではなく、ただ流されてしまうだけの男の子ばかり描くなぁ。
とは思うものの、畑野は女の子よりも、男の子の方が、幾分よく書ける気がする。


そして、地に足の着いた現実を描こうとするよりも、『タイムマシン・・・』の浮遊する感じの設定にのっかって書く方がいい。(現実描写の力が弱くて、つくりものの上で演技してる感が出てしまうから)

その路線で進めばいいのだ。

by shiho_kato | 2017-06-01 18:08 | 読書ノート | Comments(0)