むむちゃんは、初めての肩凝りを体験している。
ランドセルのためだそうだ。
今日は教科書をすべて持っていき、上履き等々、週のはじめの荷物やお弁当もあるので、なお重たい。
雨の中、重いよ〜と悲鳴をあげながら傘をさして、カタカタ走るむむちゃんに、お気の毒さま、と。
私が育った北海道の豪雪地域ではランドセルはなかった。代わりにナイロン製のお揃いのリュックサックだった。雨雪の入る隙間はなく、蓋はランドセルのようにがっぱり覆う形ではなく、外ポケットもついていて、軽くて、結構な使い勝手だった。
転校してランドセルが必要になりもらったお古のランドセルは初めから気に入らなくて(ごめんなさい)、というよりも、たぶん北海道のゆかりのものたちへの愛着が強くて、あの頃、今くらいマイペースに生きられる性格だったら、北海道時代のリュックをそのまま使っていただろうなぁ。
今もランドセルを見ながらリュックと呼んでしまう呼び間違いを指摘され続けている。
ランドセル、重たく大きいわりにモノが入らず、開閉は特に不便な作りだと思う。この形をはじめに考案した人は、あまり子どもに知識のなかった人に違いない。もしや、身体を鍛えるため?
むむちゃんの肩こりに、ふと、かつての、ランドセルとリュックの葛藤を思いだしてしまった。