むむちゃんの散歩道

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読書日記12/1,2 三浦しをん『舟を編む』『仏果を得ず』

たまたま、ほんとに、たまたま、
バッグの中に三浦しをんが二冊。

三浦しをんの本も読むのははじめて。

辞書を編む『舟を編む』も、
文楽役者を描く『仏果を得ず』も、
いずれも「これ」を見つけた男たちの物語。

恋人は二番目、と、
言わせる、設定はキライではないけれど、
対して、子どもがいちばん、二番は生業、三番が恋人と、相方の女性は言うわけです。
女性たちはちょい役でしかないのだけれど、
そのリアリティゆえに、揺るがぬ存在感がある。

「これ」を決められた潔さが
わかりやすくて清々しい。
妬ましく羨ましい。

そして、キライではない。
そんなふうにシンプルにあれたら幸せだろう、
そんなシンプルに身を添わせるセンスはないので、
無いものねだり。

あ、そういえば、この感じ、
子どもの頃、キャプテン翼を読み、サッカーにいそしんでいた弟に対して抱いた妬ましさに似てる。

年末の世相のあわただしさに翻弄されそうになる12月、
超然とわが道をゆく時間を過ごす小説は
心の安定に良さそうだ。

季節がら、一度挫折した三浦しをんの『風が強く吹いている』も読んでみようか。
箱根駅伝の見方も変わるやも知れぬし。
by shiho_kato | 2011-12-04 12:49 | 読書ノート