4月15日(月)で、長く勤めた保育士さんのからあげが退職しました。
お別れ会は週末開催に向けて着々と準備されているものの、
実際の勤務最終日にも、何かやりたいよね。
と、にわかに思い立ったのが金曜日の夜。
*************
72時間をきる準備時間で、
何を用意し、何をプレゼントしようか・・・。
甘いもの大好きなからげには、
ロールケーキを作ってこよう!
とけいこちゃんと、あさこちゃん。
食べるもの以外のプレゼントは?
着るものは?保育用のものしか持ってないよね?
え、おしゃれだからチョイスが難しいんじゃない。
アウトドア系のものは?
寝袋?テント?今から無理。
え〜、どうしようね。
(お菓子作りは苦手な私) あ、あの、紙芝居とか、どうかな?
あ〜、それいい、からあげの今まで作った劇の中から。
しかもあの震災の年に作ったのは思い入れあるって言ってたし。
よし、じゃ、それで!
************
分かれた金曜の夜、
その劇をやった代のママ友に台本さがしてのお願いコールをする。
紙芝居のラフを書く。計6枚。
土曜の朝、出勤前に写真をとってスマホでやりとり。
6枚が少ないのと、絵が単調になるのと。
劇の写真を入れてみたら?
わ、ナイスアイデア写真くださ〜い!
絵を描いてみたよ!すごい、素敵!
メールが飛び交う。
みんなに参加してもらえる作品にしよう、と
このやりとりを受けて、心を決めた。
勤務後の帰途、東急ハンズに寄り、
絵本製作キットと出会う。
よし、紙芝居もとい絵本でいこ〜。
夕方ようやく台本が届き、
夕方から夜はむむちゃんの剣道の総会で身動き取れず。
**************
翌朝はむむちゃんとマラソン大会。
帰宅後、台本をもとに
絵本で構成を組み始めた。
写真待ちも、急だったために難航。
文章を書き、絵の配置を決め、
絵本の体裁にまでは整え。
日曜が終了。
提案、起案から、約50時間強。
**************
月曜の朝、
書き入れの方法や
切り貼りする素材を用意して、
完成させるために協力してほしいことの手順書を作成。
モノに添付して、レターボックスにおいてくる。
首謀者の私が会議で、子どもたちの作業できる時間に
保育園に到着できないから誰かに渡さなくちゃ。
ぶんなげ相手のめぼしまでつけて、連絡とれたのは夕方5時すぎ。
彼女の帰途に情報キャッチしてもらって、了解の返信あり。
そして、7時。
保育園に到着したら、テーブルいっぱいに
とっても美味しそうな手作りお菓子が並び、
子どもも大人もたくさん残っていた。
これでよかったかな、とさしだしてくれたそれは
立派な絵本に出来上がっていた。
朝は紙の束だったのに。
**************
からあげは、それらの企画すべてをとろけるように喜んでくれた。
最後、プレゼントする絵本は、渡す前に、みんなの前で読み聞かせした。
火事を消すためにひとしずくずつ運ぶ動物たちも、
焼けた森に花を咲かせるイラストたちも、
描きやめるストップをどこで入れるか困るくらい
みんな一生懸命書いてくれたって、
ぶんなげ相手のおまゆさんは言っていた。
「ハチドリのひとしずく」をなぞったような
「ことりの森」は
「ぼくたちの森」にした。
ぼくたちに勇気を教えてくれることりは「からあげ悪魔カラス」に変えた。
いくつかの改編は、ぼくたちの森でからあげと今まで遊んできた思い出と、
また、遊ぶための約束。
**************
言い出して企画して実現した母たち、ステキです。
協力して、お菓子作ったり、時間をやりくりして、残ってくれた子どもたち母たち、
ステキです。
延長番のからあげがみんなとおしゃべりできるように
子どもの預かりをした母たち、ステキです。
突然のその企画を職員に快諾を得るためにお話してくれた母たち、ステキです。
そんな、みんなのステキを引き出して、見えるようにしてくれたからあげは、
本当にステキな保育士さんです。
(母ばっかりの女の園でした。モテモテだ!)
65歳男性現役保育士。
日本全国探してもきっと数えるほどしかいないだろう。
からあげ、ありがとう。
置き土産に、母たちの絆固めの機会を、ポンと大きくひとつ、ありがとう。