半年ごとの検診ゆえに、平日のお休み。
折しも毎月1日の映画デー。
「きみはいい子」と「海街ダイアリー」を迷い、
「きみはいい子」へ。
http://iiko-movie.com/原作の中脇初枝の『きみはいい子』がぼんやりと良かった。
映画には期待しないと思っていたけれど、監督が呉美保。
どう仕上がっているのかしら。。。やはりちょっぴりワクワクする。
オムニバスの小説。
映像で並行して観せていくとき、ついていけなくなったり、
場面切り替えが不自然になると一気に世界が壊れてしまう心配をする。
杞憂でした。
それぞれの物語の見えない糸のつながりが
ほどよく導いてくれました。
高良健吾がちょっと熱すぎて、もう少し薄ければなぁ、と思ったけれど。
両手ポケットにつっこんで子どもたちの中を通勤する先生って今時いるのかな。
それ以外は、よかったです。
原作『きみはいい子』のよいところは、
ふつーの人がふつーの人のままの限界の中で
あがきながら、もどかしいくらいのスピードで、光の方へ一歩一歩進むこと。
ぴょんと飛び越えてしまわない、マジックのようにパッとハッピーが降ってこない。
だけれど、静かに溜まっていく前を向く力が
少しずつ重たい蓋を押し上げていく。
等身大、だから、共感できることがある。
それに辛抱強く添いながら書かれた作品。
映画の中の突き抜けない演技、とても良かったです。
もう少しで抱き寄せる手が伸びそうな、
そのぎりぎりの際までひっぱって止めるカメラワークは
観ている私たちの心に問いかけ、心にじわっとあふれるものを待ってくれる。
余韻が生きていました。
久しぶりに富田靖子を見たのも嬉しかった。
池脇千鶴と、富田靖子と、眉太・黒目がちのポッチャリ系。
ぽわんとした雰囲気が映画をふわりとまるい雰囲気にしてくれました。
許しがたい大人も当然出てくる。
けど、不出来であがく大人と、あがいている大人のもとで
愛情をひたすらに待つ子どもが、小さく一歩踏み出す背中を映した映画でした。
私は至らなさと葛藤とを抱えながらもがんばっている私を、十分にほめて許そう。
子どもたちには、居てくれるだけで嬉しくて、そのままで十分に大好きと
惜しみなく伝えなくては。