むむちゃんの散歩道

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あれから5年

5時に目が覚めた。
予報にあった雪も雨も降っていないので、いつもの朝のコースを走る。

5年前、ホームで電車が車でのわずかな時間すら
立っていることのできない身を情けなく思っていた。
5年後のいま、起き抜けに5kmを軽々と走れる体になった。

時は、魔法だ。


走りながら、ふと記憶を手繰る。
あの日の朝、子どもたちとどんなふうに別れただろう。


ぷうちゃんと手をつなぎ、むむちゃんを小学校まで送ったはずだ。
小学校の校門でむむちゃんにいってらっしゃいを言い、
校舎をめぐる柵の隙間から手を振ったはずだ。
そのまま、ぷうちゃんと保育園に行き、
保育士さんや他の母たちとふたこと三言交わし、
ぷうちゃんと「握手でバイバイバイ」と別れたはずだ。

どれも、あの日の記憶ではなく、毎朝のルーティン。


機嫌良く、だったのだろうか?
無愛想に、だったのだろうか?
弾んだ声だっただろうか?
静かな声だっただろうか?
笑顔はあっただろうか。


思い出せないのは、再び会えたから。



むむちゃんの教室に英語の授業のお手伝いで訪れたのは5時間目。
ひとりお休みで、ペアのいない彼と組んだほうがいいかしら、おとな相手はイヤかしら。
そんなことを迷ったりしながら、楽しく一時間を過ごした。
そうして、むむちゃんとお友だちのAちゃんと一緒に帰ってきた矢先の。。。


むむちゃんは目の前に居た。
ぷうちゃんも歩いて10分の場所に居た。
二人の無事を即確認できる場所に、居た。

ほどなく、ふたりともをこの手で抱きしめることができたんだ。



恐ろしいもしもは想像しない。

だけれど、朝別れてから、夕方再び会えることを
奇跡と尊び続けたいと思う。
あの日を「忘れない」記憶として。


いつ、どこにいても子どもたちのもとに戻ることができる体力を。
子どもたちを守ることができる体力を。
そう願って走り始めた。

そうして5年、何があっても、わが家へ帰り着くことができる足を手に入れた。

走り続けるんだ。
あの日を「風化させない」覚悟として。
by shiho_kato | 2016-03-11 13:00 | ありがとノート | Comments(0)