むむちゃんの散歩道

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西加奈子『i』

本屋大賞候補作の西加奈子。

昨年の候補作の『サラバ』も骨太で良かったけれど、
今年の候補作の『i 』はかなり骨太だった。
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世界で起こる、日本で起こる、遠くで起こる、近くで起こる、毎日の悲しい出来事。
目の前で手の触れるところで関わってくることがなくっても、
打ちのめされるかのようにショックを受けたり、心が削られたりするのは何故なのだろう。
ぬくぬくと(いや、実際は毎日は必死なのだけれど)日々を送ることを、後ろめたく感じてしまうのは何故なんだろう。

それに正面から答えようとするこの小説の「姿勢」みたいなものに、
頭が下がる思いだ。


by shiho_kato | 2017-02-08 21:08 | 読書ノート