京都を舞台にした小説が面白い。
小説の中身は、わぁっと驚く程面白いわけではないが、ちょっと京都に居る気分を味わえるのが良い。
京都舞台の女子高生くらいが主人公の軽めの小説を探してみると、たくさん出ているのね。
「
京都本大賞」なる賞があって、それなんかを参考にしながら、何冊か続けて読んでいる。
柏井壽『鴨川食堂』シリーズ(小学館文庫)
望月麻衣『わが家は祇園の拝み屋さん」『京都寺町三条のホームズ』シリーズ(双葉文庫)
白川紺子『下鴨アンティーク』シリーズ(集英社オレンジ文庫)
とかとか。
白川紺子の「下鴨アンティーク」は、古典や、世界の名作、能や、クラシックなどなどを
からめてお話を展開するから、知らず知らずと源氏物語の世界に引き込まれたり、
小野小町に思いを馳せたりできてしまいながら、京都の中のゆかりの場所を思い浮かべて読むことができる。
巻末には参考文献リストなんかもついていて、ライトな小説なのに手厚くって良い。
私が中学生のときは、読書歴的にはコバルト文庫で繋いでいた時代。
そのころに、このくらいの感じの本に出会えていたらなぁ。
いま、ライトノベル系で探すと、京都舞台の似たような本がわんさか出てくる。
きっとそれらの多くは、寺社とか陰陽師とか古典とか、日本の文化や文学と結び付けて仕立ててているものがたくさんあるに違いない。(そうでないと京都を描けないものね)
コバルト文庫の『丘の家のミッキー』だって悪くはなかったけど、
今だったら、これ系のをたっぷり読んでいただろうなー。
そう思うと、紙の本の危機とか言われながら、かつてに比べて豊作の時代なんじゃないかなって思う。