むむちゃんの散歩道

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2018年 05月 24日 ( 1 )

書架の隙間に

生徒たちが校外学習の今週。
残る学年は秋の文化祭に向けた準備に力を入れる日。

それを目指してか、卒業生たちがチラホラ校内に姿を現す。

「卒業してみると、意外と数学の本、いいのがあったんだよな」
司書室で仕事をしながら、そんな言葉を耳が拾う。
ふわふわとあたたかな気持ちになる。


しばらくして静まり返った館内に本を戻して歩こうとすると、
4類の書架の隙間の本を読む人影。
卒業生たちが、それぞれに本をひらき、それぞれの恰好で床に座り込んでいた。
静かすぎて居ることに気づかないくらい、読むふけっていたんだ。



彼らが、懐かしい気持ちなのか、新たな発見をした気持ちなのか、かつて読みそびれたことを悔やむ気持ちなのか。
ひとっかけらも片鱗をつかまえることはできないけれど、
この空間に一体となって、おそらくは寛いでそこに居ることを、心から歓迎したいと思った。


静寂を破らないように、彼らの空気を乱してしまわないように、そっとそっと遠ざかる。

来たいときには、いつでもおいで。
言葉にはしないけれど、ありったけの思いをこめて願う。


by shiho_kato | 2018-05-24 17:38 | 私ノート | Comments(0)