修学旅行から2週間あまりで体育祭。
忙しい一学期だ。
今年は昨年に比べて朝練も少なく、体育祭の直前だけれどぼんやりと過ごしていた。
クラス編成にもよるし、学年にもよるのだろうか。
盛り上がってない、と自ら言って出かけて行ったので、
うっかり、むむちゃんが白組なのか赤組なのかすら尋ねることを忘れていた。
現地で姿を発見して、白組であることを確認した。
今年は赤、白、青の三色に分かれたよう。
ぷうちゃんのような本人の緊張感とかが無い分、リラックスしてのんびり見ていたら、
80m走では1位をとり、クラスの全員リレーでもひとり抜かして順位を上げ、もう一人前に迫る勢いでバトンを渡した。
なんだよー、めっちゃ頑張ってるじゃないか。
ふいに、こうして全力で走る姿をもう見る機会が無いかもしれないと思いいたる。
私が高校のときは、体育祭に親に来てもらわなかったもの。
勤務先の近隣の高校がちらほら体育祭を行っていたけれど、いずれも平日だったし。
熱い熱い日差しの中で、切ない気持ちに陥ったりして。
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むむちゃんの学年別クラス対抗リレー。
Mちゃんを擁したクラスは、ダントツで一番を走っていた。
まだ前に、まだ前に、前に、前に、、、。
二位以下を引き離して、Mちゃんにバトンが渡った。
Mちゃんが一周回るあいだに、最下位に落ちる。
Mちゃんの次からの走者たちによる猛追。
どの子も、どの子も、鬼気迫る一歩も引かない走りだった。
猛追する中にむむちゃんの親友で、私もよく知っているYちゃんもいる。
体育祭実行委員として彼女が体育祭にかけている想いも知っているから、
ただただ彼女が走っているだけでも胸が熱くなるのに。
3年間をかけて、この数か月をかけて、この数週間をかけて、あったいろいろなことを
すべて振り払って、帳消しにするような小さな体で風を起こすような走りに胸を打たれる。
アンカーの彼は、ガッツポーズで会場中に応援のアピールをしながら、盛大な声援を受けて、ゴールした。
怒涛の拍手に、視界が濡れる。
Mちゃん、良かったね。